友達が 病気って怖い編

亡くなったM子は、昔から用意周到な人だった。

計画をきちんとたてるし、そのために必要なことで前もってできることは何でもやった。

一緒に旅行に行くとチケットの手配とかみんな考えてくれちゃうから
困ったことはなかった。


だから50歳を前に仕事を失うなんて、予定外のできごとだったんだと思う。
結婚しなかったことも、ガンにおかされてしまったことも、自分の人生では予定外だったんだ、たぶん。

仕事が決まらない不安からうつ病になり、さらにガンの宣告をうけた。
手術への不安、さらに
将来への漠然とした不安には耐え切れなかったのかもしれない。

だけど、その死に方だけは「らしくない」よ。
首をつる、だなんて 冷静さを欠いていたとしか思えない。
突発的だったのかな。


こうして こうして こうしたら、こうなってこうだから
だから こうして こうしようよ
こうなるよきっと


いつものように考えを巡らしていれば、その方法は選ばなかったんじゃないのかな。
そもそも、行動に移したりはしなかったんじゃないかな。

いつものM子であれば
車椅子のお父さんのどん底の悲しみが想像できたのではないだろうか。
妹さんが一生背負っていくであろう傷を想像できたのではないだろうか。


「らしさ」をなくしてしまう、そこは病気なんだろうな。
病気って怖いな。
全然M子らしくないもん。




でも違った。
妹さんによると「今思えば一週間くらい前から考えていたと思います」と。

「お部屋をきれいにして、洗濯物も全部片付けて、お金をおろしておいてありました」と。

「置いてあるお金で部屋の片付けをお願いします」と。

メールに気づくのが遅くなり
あわてた妹さんは電話をするもののM子からは返事もなく。
管理人、警察官と一緒に駆けつけた時にはもう遅かったらしい。


決行のために用意周到だったね。
あとのことまでちゃんと考えていた。
とても計画的。
そこはM子らしいよ。

だけど、部屋の片付けをお願いします、ってM子。
そこまでわかっていて その方法を選ぶかなぁ?
だし、苦しいでしょうよ そのやり方は。

やっぱりそこは病気なんだなー
怖い。
怖い病気だ。

病気が憎いよ。
M子はまだまだこれからだったね。
ぱっと咲くはずだったよ。
十分に時間はあった。

病気になる前に吐き出して、ストレスはためないようにして
病気にならないことだね。
悩みは誰かに喋るといいらしい。

妹さん、うつ病には気づかなかったって言ってた。

医師から薬をもらっていたのに眠れなかったようだって。

眠れないから、あれこれと考えちゃったのかな。

「なんで死んじゃったのー 死ぬことなかったのに」
遺影にそんな風に語りかけながらお焼香をしました。

ご冥福をお祈りします。

この記事へのコメント

あめめ
2010年07月02日 17:15
たた美さんのおっしゃりは正しい。そう、”病気”なのね。
逆に(というかなんというか)、病気じゃないとできないの。
そこまで病気じゃないと決行できなくて、できない自分がまた
もどかしいんだなぁ。なんで生きているんだろって思っちゃう。
一番良いのは、何かのきっかけで(ここが難しいとこだけど)
良い専門家(そしてこれがまた宝くじ当てるより探すの大変!)に
会える事なのだけれど…難しいのよね。
たた美
2010年07月03日 22:53
友達のお母さんが欝になってね。
眠れなくなったんだって。
お医者さんから薬をもらっても眠れなかったんだって。
で、1年かかって3人目のお医者さんでようやくぐっすりと眠れるようになったらしい。
「同じ薬なのよ。でもちょっとの量の違いなの」と彼女は言っていた。
原因(病気のお父さん)が亡くなって、お母さんの病気はすっかりとなくなったそうです。
よかったね、とも残念だったね、ともなんとも言えず。

やっぱり病気だったんだなー
ドアにカギをかけて決行したんだよ。
妹さんが第一発見者にならないように、という配慮までそこにはあったと思う。
それでも病気だったんだなー。
ほんともったいないけどそういう病気だったんだ。

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